10 新卒の採用戦略 7対1看護の課題2

 一般病棟入院基本料7対1は、看護師を増員しなければならない。看護師の増員は、昨今の看護師不足のため、簡単ではない。

斎藤:7対1看護をとるために看護師は、1日何人必要ですか?鈴本さんの病棟は、何人必要ですか?

鈴本:考えたことがなかったので、わかりません。

斎藤:根田師長の病棟は、何人増員すればいいですか?

根田:私の病棟は、42床だから、1日の必要人数が18人となります。現在、常勤13人なので、常勤が1日5人増やす必要があります。常勤換算の必要数は、以前も看護体制における数え方がいいと思います。10対1は2:1、7:1は1.4:1となりますので、42床の10対1の常勤換算での必要数は21人、7対1は30人と簡易的に計算されます。この常勤の数と、先ほどの、1日当たりの看護師必要数を頭に入れながら勤務表を作らなければなりません。あまり、余裕のない勤務表にすると1日の必要人数がクリアできなくなる心配があると思います。それと有給を消化できる余裕が必要だと思います。

斎藤:計算方法については、もう一度、確認しておいて下さい。(Scene3ブレイクスルー参照)それでは、をどのようにしようか?

根田:まずは、看護学校を訪問することだと思います。

斎藤:どうやって、訪問しますか。訪問にも戦略が必要ですよ。昔のように、看護学校の先生にお願いすれば、学生が就職する時代ではなくなっていますよ。

根田:実は、調査をしてあります。現在、看護大学に関しては、大体、就職課に相当する部門があります。まずは、その就職課の担当する先生と事務の担当者にご挨拶しておこうと思います。専門学校も担当の先生がいるので、ご挨拶に伺おうと思います。学校に訪問する際は、病院の案内と病院の特徴、看護部門の教育体制について、まとめたパンフレットを用意します。一緒に、奨学金の案内についても説明しようと思っています。近隣の病院や私の学校の同期に、学生への奨学金について聞いてみたら、最近は、高止まりしていることも分かりました。多いところでは、年間100万円も支給している病院もあるそうです。そこで、斎藤部長にお願いしたいのは、事務部長に奨学金を増額するように交渉していただけないでしょうか?」

斎藤:ほかにないですか?

奈須:看護学校の非常勤講師を積極的に引き受けたらいかがでしょうか?

斎藤:それは、なぜですか?実習ではなくて?

奈須:私がそうだったのですが、病院に勤めている現場の看護師の話が非常に面白くて、そんな非常勤講師の先生にあこがれて、この病院に入職しました。

斎藤:そういえば、私の講義がきっかけで、入職したと言っていましたね。

奈須:実習は、実習病院の職員と良い雰囲気になれば、就職したくなるのですが、実際には、実習で失望して他の病院へ就職してしまうこともあります。大抵は、就職したい先に、実習希望を出すので、実習病院に期待しています。結構、失望して、ほかの病院へ就職した友人がいました。

斎藤:それもそうですね。根田師長、看護学校を回る時に、非常勤講師の依頼があるところは、極力引き受けましょう。これから、WOCの認定看護師である根田師長には、たくさん外に出てもらいましょう。

根田:分かりました。